第26章 事変
そんなことを考えていたら宿儺が瞬間移動のように目の前に現れた。
私は弱い。
誰よりも弱くて、呪霊なんかよりもずっとずっと弱くて。
何度だって立ち上がってやる。
何度だって立ち向かってやる。
何度だって。
「私を……人間を舐めてんじゃねェぞ!!何度だって這い上がって、テメェらをぶっ倒してやる!!」
「負け犬の遠吠えか?貴様が俺を倒すか。ケヒッ、ヒヒッ!!いいだろう。その日が来るのを楽しみにしているぞ。今は、せいぜい小僧と共に噛み締めろ」
そう言った宿儺の身体から文様が消え初める。
主導権が虎杖へと変わる合図だった。
焼け野原となった渋谷。
真っ二つにされ地面に倒れる細身野郎。
その光景を目にした虎杖は大きく目を見開き髪の毛をくしゃりと握りつぶした。
「ぅう"う"う"ぅう"ぅう"うう"ぅぅううぅう"う"ぅえ"っ」
「虎杖!!」
その場に倒れ込み、胃液を吐き出す虎杖。
鼻息を荒くし、ぽたぽたと涙を零し始める。
「死ねよ」
小さく呟いたその言葉は自分自身へ向けたもの。
どくりと心臓が一度だけ大きく跳ねて、冷たく冷え切った。
「自分だけ!!自分だけぇ!!」
コンクリートの地面に爪を立てガリガリと何度も引っ掻いたせいで、爪は割れ指や地面を真っ赤に染めた。