第26章 事変
「キヒッ、惨めだな夏油。その気になれば守れたはずだ。だが、どこかで諦めたろう。それがオマエの敗因だ」
……図星だ。
私はどこかで諦めていた。
私の今のこの力で誰かを守る事なんて無理だと。
それを宿儺に見透かされてしまった。
屈辱。
恥辱。
嫌悪。
気付いたら私は一人この更地の上にいた。
宿儺が何処に行ったとかもうどうでもいい。
私は一体何をしているんだろう。
私はなんで命を懸けられなかったんだろう。
可愛かったのか、自分の命が。
自分の気持ちを優先した結果がこれだ。
もう一度悟に会いたい。
こんな感情を抱いているから、私は弱いままなんだ。
今の私を見たら悟はきっと失望するだろうな。
分かるよ、私も私自身に失望してるから。
「あああああああああっ!!!!」
私は弱い。
弱くて弱くて。
いつも間違ってからじゃないと答えにたどり着けない。
苦しめ、足掻け、藻掻け、噛み閉めろ。
言い訳も逃げることもしない。
私は呪術師だ。
また這い上がるよ。
這い上がって、今度こそ―――……。
ゆっくりと立ち上がり私は伏黒のいた場所へと戻った。
伏黒の姿が見当たらなかったが、気配を感じれば家入硝子の所にいるようだ。
宿儺が連れて行ったんだ。