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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第1章 幼馴染みは森の中で姫を見つけた




「あぁぁ…俺今日で死ぬかもしれない…」

『ひ、日向落ち着いて!深呼吸…深呼吸
あ、えっと…チョコ持ってきてるよ?!』

「フォロー下手くそか!!てか置いてこいよ!」

試合始まる前にどうにかなるかなって思ってたけど時間が近づくほどやばそう…
ここはマネとして何かやれることをしないと

『清水先輩!ちょっとお手洗い行ってきます!』

「あぁ、うんいってらっしゃい?」

ドリンク補充を終えて青城の体育館を出る
緊張しなくなる方法、と
えっとなになに手のひらに…

「 有栖川?」

『え』

スマホから顔を上げると青葉城西のジャージを着た金田一と国見が立っていた
うわめっちゃ久しぶりすぎる
何か言葉が出てこなくて困っていると金田一が一歩前に出てくる

「ほんとに烏野行ってたんだな」

『え、あぁうん
烏野のほうが家から近いし、えっとそれに』

「影山が行ったから?」

私の言葉を遮るように国見が被せてくる
私達を取り囲む空気が少しだけ張り詰める

「あの人と別れたのもそのせい?」

国見は視線を横に流して私を見ようとしない
ズキンズキンと重い音が血管を通って全身に鳴り響く
途端に息苦しくなり情けない気持ちと苦い思いが胸を締め付ける

「おい国見っ!」

「そろそろ行こう」

国見は私を一回も見ずに金田一の背中を押しながら去っていく


「あ、いたいたそろそろ試合始まるよ?」

『っすみません!今行きます!』

清水先輩と一緒に再び体育館へ戻る
切り替えないと…
結局日向の緊張解いてあげられなかった




あれ…?



日向の緊張は第1セットまでミスを呼んだけど
第2セットから着実と変人速攻が決まりだし攻撃の要へと変わった

2セット目は何とか烏野が制し、フルセットまで持ち込むことが出来た!
県内ベスト4相手にみんなすごい…この調子で行けば…

思考を遮るように歓喜の声とざわめきが体育館一体を覆う
体育館の全員の視線がたった一人に注がれている
自然と目線が動く

得体のしれないその人物をみんなが凝視する
でも私は知ってる、知ってる…

忘れられない、その人のことを


「やっほートビオちゃん久しぶり〜〜」


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