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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第1章 幼馴染みは森の中で姫を見つけた












「ねぇ俺と付き合ってよ」















『なんで私なんですか?』

「んーなんでって好きだからだよ」


ウソつき





「 くるみー迎えに来たよ」

『及川先ぱ…!?あの皆みて…』

「しょーがないじゃん、くるみを抱き締めたい気分なんだからさ」


ウソばっかり













「うん、別れよっか」



「でもね、俺 くるみが好きだよ
それだけは嘘じゃなかったから」



















ウソつき



















『…ウソつきッ』


「まだ怒ってるの?」

静かで控えめな声に目が覚める
あれ…私寝てたのか
ゆらゆらと揺れるバスが余程気持ちよかったみたいだ
月島くんの肩から顔を起こす

『…別に怒ってないよ、月島くんの事じゃないし』

仕舞い込んだはずなのに夢に出てくるなんてズルい
これからどんな顔して会えばいいのか分からなくなる

「へー余程その人に怒ってるんだ」

『!別に怒ってなんて…』

月島くんの指が私の頬に触れ、上へとスライドしていき親指で目元の雫を拭き取られる。もう片方の目元に手を添え湿った感触に自分が泣いてることに気付く

「泣くほどその人に悲しむようなことされたんだ?」

あ、またこの感じ…
なんでこんな風に入り込んでくるの
荒れていた気持ちがゆっくり沈んでいく

月島くんは海かなにかなのだろうか

『うーん、おあいこかな』

「?」


その時バスが止まり、体が前へと軽く揺れる
澤村先輩の呼びかけで青城に到着したことが分かった

もしかしたら私が通うことになっていた場所
でも降りる前にその思いは消える

これから烏野のマネージャとしての初の練習試合に立ち会うんだ

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