• テキストサイズ

攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第3章 ウソと人魚の心を手放した代償





きっと今あり得ないくらい顔真っ赤だろうなぁ…

顔を上げた及川先輩は私の足元から頭にかけて視線を巡らせる
?なんだろと思って首を傾げてると及川先輩が「はぁ〜〜」と唸りながら軽く抱擁してくる


『及川せんぱい…?』

「やっぱり今からでもうちにしなよ
制服ちょー似合ってんじゃん」

『それはムリ、及川先輩が烏野来ればいいよ』

「うちだから意味があるんだよ
それに俺は結構本気で言ってたんだからね」

及川先輩のことはすごく好きだけどたまに本音なのか冗談なのかわからなくなる

言って"た"か…


「毎朝一緒に登校すんの、それで一番最初に俺がくるみの顔を見て抱き締める」


『すごく最高…』

「…じゃあ戻る?…くるみが見つかるずっと前まで」





後悔してない、って言われたら嘘になる
でも
今が間違ってる、って言われたらそれは




間違いなく違うって言える







『________っ』





「なんてウソだよ
だって くるみ飛雄と付き合ってんでしょ」

「王様はきっとお前を大事にするよ
……ムカつくけどさ絶対に離したりなんかしないんだろうね」


抱擁が解けてゆっくり体を離していく
喉元まで込み上げた言葉はするすると消えて砂のように綺麗さっぱりなくなる


『うん、影山は離さないと思う…
って及川先輩も彼女いるでしょ!』

「あそうか」

『そうかじゃない!
そんなんだと逃げられちゃうよ?』

「うーんそれは困るかも…」

『軽い!』













好きじゃないならなんでキスしたの?
彼女さんと上手く行ってないの?
私のことどう思ってるの?

聞きたかったことは全部閉じ込めて鍵を掛ける








「お前のこと、
バレーの次くらいには好きかもしれねぇ」


影山がある日私に言った言葉

なんでもない言葉だと思った
でも他人が聞くと誤解してしまうなと思った


及川先輩は多分、聞いてた
それで影山が私のことを好きだと勘違いしたんだ

今思えばそれは本当だったのかもしれないけれど



及川先輩が影山に敵意を抱いていたことも知ってる


及川先輩は 影山が

私のことを " 好きだ " と分かって

付き合ってたのも知ってるから


/ 44ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp