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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第3章 ウソと人魚の心を手放した代償




「さっきもっと恥ずかしいことしただ…んん」

『影山のそーいうとこ大っ嫌い!』


スマホが震えて影山の口から手を離して取り出す。日向からだ、ラインにはいま外に出て隠れているということだった。

『日向迎えに行ったほうがいいよね』

「俺が連れてくるから、
お前は待ってろ」

『え、うん…わかった』

影山に日向の正確な場所を教えると、早々と出ていってしまう
なんか…変

心なしか、あんまり目も合わなかったような…
ま、まま…あんな事したらそれは…そうか


体を縮こませてじっと二人を待つ
人一人いなくなった部屋はほんの少し広くなった気がする



がラララ…
え、はや!
反射的に後ろを振り向くとそこにいたのは日向でもましてや影山でもなかった





『……国見?』

「……まじか」



咄嗟に両手で顔を覆い隠す
まだバレてないかな!?

『…人違いです』

「いや正真正銘 有栖川 でしょ」

長い沈黙がお互いの間に流れたあと国見が部屋に入り込んでくる。顔を抑えた手を掴まれ横にズラされる。

国見は私の顔をじぃと見たあと、着ている制服に目を落した

「この制服どうしたの、ていうかなんでうちにいるの」

多分答えるまでどこにも行かないだろうな
そう思って渋々ここまでの経緯を答える

国見は無言でただ私の話を聞き続ける


「…それじゃ、他にも烏野10番もいるんだ」

『はい…あと影山も』

「影山ならさっき見たよ、この部屋出ていくところ。見間違いかと思ったけど 有栖川 いて確信した」

かげやまぁぁ!!
影山のせいじゃないかっっ
やっぱり私が日向を確保しに行けばよかった!そうすればこんな気まずい状況を影山にパス出来たのに。

国見は視線を下に落としてポツリと呟く


「…すごい顔してた」

『??』

「影山と何してたの、こんなとこで」

国見は周りを見回したあと私に視線を託す
思い出すと顔が熱くなってきて、咄嗟に下を向く

『あ、別に?さ、そんなにここにいなかったし!』

「へー」

どうでもいいようで疑ってるような声音
手に力が入って汗が頬を走る
すると国見が小さく、控えめに声を上げて笑う


「…よく考えれば偵察って…ヤバ」

「それで体育館の場所わからないって…」

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