攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐
第3章 ウソと人魚の心を手放した代償
涙が止まると影山は手を離して静かに言葉を並べる
「俺は…日向のバカに言われたときも
お前が及川さんと付き合い始めたときも」
「俺はお前を幼馴染みだと思ったことない
本気で愛してるからな」
『あ、あいし…!!』
「言わねぇと気付かねぇとかアホすぎんだよ」
そっぽを向いて顔を背ける影山の耳は真っ赤に染まってて余計恥ずかしさが込み上げる
あれ…ちょっとまって
及川先輩と付き合い始めたときから
影山は"本当に"私が好きだったの……??
どうなって…
『…あッ…』
自分の口から卑猥な声が溢れて慌てて口元を手で塞ぐ
胸から擽ったい刺激がやってきたと思ったら影山が胸に手を滑らせていた
声を聞いた影山はニヤリと口角をあげると、ブラ越しからそっと揉み出した
「そんな嬉しいならもっと触ってやるよ」
感触を確かめるかのように押したり、突っついたり弄んでくる
その度に声が出そうになるのを堪え、下腹部がキュッとなるのを感じた
ホックを外そうと影山の手が背中に潜り込んできたときすかさず声を上げる
『やっ…!やめ、て!』
両手を使って影山の目と口を抑える
案の定影山は背中から手を取り出し、両手首を掴み上げる
『影山の変態!すけべ!最低!』
「あぁ!?エロい体してるお前が悪いんだろ…」
『いやぁ!!!変なこというなぁ!』
ていうかエロい体してたら誰でも襲うの…?!
精一杯睨んでいると、影山は折れたのか盛大な溜息で体を引かせる
影山が離れた隙に乱れた服をせっせと直す
「止めてやったんだから言うこと一つ聞け」
『…へ…?』
「名前で呼ばせろ」
名前って下の名前って、ことかな?
影山が凄んだ顔で言うから何だと思った…
『別にいいけど、なんで?』
「そーいうとこだバァカ」
『!?』
…いちいち癇に障るこという
影山は私の目を真っ直ぐ見つめたままその形の良い唇を開く
「 くるみ」
『え!あ、はい!』
ぜ、全然慣れなくてなんか恥ずかしいかも…
上目で影山の顔を見るとなんか勝ち誇ってる顔してる
『とびお!』
「おう」
『へ…?』
ふつ……!
唖然としてる私に影山は平然と口を開く