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攫ってほしいと頼んでも ♔setters♔ ‐HQ‐

第2章  お転婆アリスを追いかけた迷いネコ




あれ研磨勇者で良かったよね?
あ、でも魔法使いのほうがぽさがある…

『あ、もちろん研磨が勇者で、私が聖職…』

「ブッ…ハハハハハ…!!」

『!?』

トサ…目の前の人は突如体育館に響く声で笑い出した
え、なになに
困惑としてるとトサカの人は私の左肩に手をポンと置いてきてニッと笑顔を覗かせる


「あー…なんで研磨の周りにはこうも面白いやつばっか集まるんだろうな」

『はぁ』

「マネちゃんがあんまりにも可愛いから
てっきり研磨にちょっかいかけようとしてんのかと思ったけど予想以上にぶっ飛んだ関係で安心したよ」


よく分からなくて聞き返そうと思ったとき
研磨が視界の中に入り、他のことが頭から抜け落ちる

『けんまぁ!』

丁度こっちに向かってきてる途中だったらしく、不貞腐れたような表情をしてる

「あらら、研磨ご機嫌斜めだな」

「まぁね、クロがその手をどけたら少しは良くなるかもだけど」

研磨の視線は私の左肩に置かれている手に注がれている。クロさんもそれに気付いたのか、そっと手を引く


「悪かったよ
心配しなくても取って食ったりしないっての
そんじゃあな、聖職者ちゃん」

クロさんは背を向けて私達から離れていく
研磨の表情、ちっとも良くなってないけど

「…クロに教えたの?」

『え何のこと』

「おれの回復キャラになるってこと」


あぁ、それは聞かれたし…
研磨のただならぬ圧を感じ取りながら渋々頷く


「なんで言うわけ」

ヒェッ…!
影山は暴言吐くし、勢いすごいけど
研磨は研磨で控えめで迫力ある…

『だ、ダメだったの…?!』

「ダメっていうかさ…ハァ」

研磨は髪をかきあげたあと、言いにくそうに顔を顰めさせる


「だって、おれ以外も くるみを欲しがるじゃん」



『そ、そんな事ないと思うけど
さっきのクロさんも別にそんな感じじゃ…』

「いやきっと欲しがる
みんな欲しがるんだよ くるみのこと」



「……だから」

ボソッと溢した研磨の言葉は聞き取れず、妙な不安に駆られる
…そんなにみんな回復キャラが欲しいのかな

『で、でも!私は研磨だけだから』

「うんわかってる、おれのだから」


それからわずかの間をおいて練習試合は開始された
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