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【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)

第9章 ※偶然の再会



チラッとスマホの時計を見ると、16時を回っていた。

この時間てことは…



「ぬぁんだ?梶ぃ…随分時間気にしてんなぁ?何かあんのかぁ?」

ニヤニヤとしながら肩を組んできた榎本の腕をはらう。


「…別に。」

バレてんのがしゃくで、表情を隠しながらスマホのゲームを始めた。









ーーーーーーーーーーー

「待たせたなぁ、お前らぁ。」


「ん…。」


(全然待ってないよ。)


目当ての物が買えたらしい榎本は、機嫌よくで外に出てきた。

俺と楠見は外で待っていたが、その間、沙良の姿は見えなかった。



「はぁ…とうとう俺の気に入りの整髪料、ここにしか置かれなくなっちまったなぁ…」

「ここにあんならいつでも来りゃいいだろうが。」

(そうだよ。いつでも付き合うよ。)


「まぁなぁ…
…って…あれ?おーい!沙良ちゃん…って…」

榎本が急に駅の階段の方に向かって叫ぶと、沙良の姿が見えた。



…様子がおかしい。


「ぬぁんで反対の方行くんだ?用事か?」

榎本は首をかしげ、楠見も心配そうに沙良を目で追っている。

「まぁ、どっちにしろポトスには来るだろうしなぁ、行ってようぜぇ。…っておい、梶ぃ!?」



榎本が言い終わる前に体が動いていた。


「悪ぃ、用事思い出した。先行ってくれ。」

楠見の肩を軽く叩き、舐めていた飴を近くのごみ箱に捨てた。

嫌な予感がした。

アイツが俯いてる時は…

俺は見失わない様に、駆け足で沙良の姿を追った。










ーーーーーーーーーーーーー

side 沙良



頭がガンガンする。

平衡感覚がおかしい…


ちょっと…どこかに休憩…

周りを見渡すと、駐輪場が見えた。
あのフェンスとビルの間はちょうど死角になる。

誰にも見つからないように早く…


やっとの思いでたどり着くと、ズルズルと背中を滑らせ、蹲った。


『私…今の生活に慣れすぎたよね…』

視界がぼやけ、ポタリ…ポタリと涙が溢れた。




帰りたくない…


涙を拭いたその瞬間


「沙良っ……」

視界に飛び込んできたのは…



息を切らした梶君だった。



走ってきたのか、うっすらと汗をかいている。

「ビビった…急にいなくなんなよ。」
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