【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第9章 ※偶然の再会
プリントは昨日の夜作ったから、あとはコンビニで何枚かコピーして…
学校の最寄り駅のベンチに座り、ポトスで皆に渡すプリントの確認をしようと鞄の中に手を入れる。
風鈴の皆に頼ってもらえるのは嬉しい。
わかったよ、できたよ、ありがとうと言われると胸が温かくなる。私でもお役に立てている事が嬉しい。
頬を緩めながら、コピーする予定のプリントにミスがないか確認する。
『ふふっ…算数ばっかりになっちゃうな。
漢字は皆、あまりやりたがらないから…』
漢字の問題になると唸り声を上げる皆の顔が浮かび、思わず小さく噴き出す。
何か楽しく覚えられる方法があったらな…
考えながら、目の前のビルを見上げた。
「……遠藤?」
その声に
背筋が凍った。
忘れるはずなかった。
心臓がドクンドクンと音を立てて痛いほど弾み、今にも体から飛び出してきそうだ。
呼ばれた方をやっと向けた時には冷や汗が噴き出していた。
「やっぱね。へぇ…星女。
勉強だけはできたもんな、お前。」
え、誰ー?可愛いじゃん、紹介しろって。
決してガラがいいとは言えない男の子数人が、笑いながら声をかけてきた男の子に話しかける。
「はぁー?お前らマジで言ってんの?
コイツの体見たら言えねぇよ、マジで。」
遠慮もなく肩に腕を乗せられ、嘲笑される。
懐かしい。
この感覚も忘れない。
何、体って。お前らそういう関係?
下品な笑いが響く。
「冗談やめろって。
コイツとかありえねぇから。」
明るかった視界に
黒いカーテンがかかったようだった。
「まだ余裕であんだろ?アレ…」
耳元で囁かれる声に、体がカタカタと震え、何も言えなくなる。
「ま、良かったわ、会えて。星女な。
んで、この駅な。覚えたわ。」
無遠慮に肩を叩くと、行くぞ、と仲間を連れてその場を後にした。
何で蒔田君が…
今まで一度も会わなかったのに…
急激に寒くなり、震える手で鞄をギュッと抱きしめた。
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side 梶
「悪りぃなぁ、お前ら。」
榎本が普段使っている整髪料が、ついにいつもの薬局に置かれなくなったらしく、駅の中の薬局を目指して、俺と楠見も見回りがてらついてきた。