【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第9章 ※偶然の再会
side 沙良
「…とにかく俺は出るから、後は適当にやったらいい。」
『………』
梶君の後ろ姿を無言で見送る。
こんな所にまで気を遣って連れてきてもらって、とても言えない。言えるわけがない。
寂しい
行ってほしくない
なんて…
ガチャリ…
「…何か…開かねぇ。」
困ったように頭を掻いて戻ってきた梶君。
「やっぱ金払ってないと無理なのか…
てかすげぇな…遠隔かよ。」
キョロキョロと周りを見渡し、ソファに座る。
『…フロントに電話して、一言伝えたら出られるはずです。多分9番だと思います。』
「…慣れてんな。」
『っ…漫画で…見たことあったので…』
苦しい言い訳。
「………沙良。」
『…はい。』
電話しようとしない梶君は、真剣な顔つきで私を見る。
「ずっと…聞きたかったことがある。」
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side 梶
膝の上で両手をギュッと握り、俯く沙良。
『…どうぞ。』
ずっと気になっていた。
「お前の誕生日の日…お前が服脱ごうとしてた時、俺と…蘇枋が止めたろ?蘇枋はお前の体の事、知ってたのか?」
沙良は俺を見つめ、昔からの知り合いだと説明した。だから知っているのだと。
だとしてもまだ俺の中では腑に落ちない…
アイツの沙良を見る目は俺ときっと同じ…
「じゃあ十亀は?」
『条君…ですか?』
「お前…アイツと深い仲だろ?」
隠そうとしても無駄だ。
どう考えても距離感、纏う空気は友人のソレじゃない。
さすがに俺でもわかる。
『……はい。』
隠さないか。まぁそうだろうな。
「付き合ってんのか?」
首を振る沙良。
「十亀と来たのか?ホテル。」
『っ…それ…は…』
イラッとして頭に血が上りそうになった。
「違うのか…?」
『…………』
「違うんだな。」
『何かをしに入ったわけじゃ…』
沙良が説明しようとするも、俺の中には何も入ってこなかった。
「沙良…」
やっぱホテルにも来てたのか。それも、相手は十亀じゃない。
我慢の限界だった。
「俺は…やっぱどう考えてもお前が好きだ。」