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合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB 他】

第5章 お題小説 花モチーフの歌 + α



そこに映っていたのは、再生中の曲のジャケット。


知らない曲だ。
音楽に疎い私には、有名な曲なのかどうかもわからない。


(曲名は……アイリス?)


花の名前かな。
すらりと伸びた、紫色のきれいな花だったはず。


スマホの横で、ワイヤレスイヤホンからシャカシャカと音が漏れている。
一つしかないということは、もう片方は先生が着けてるのだろうか。


(……どんな曲なんだろ)


先生が一人きりの時に聴く音楽。
みんなの前にいる先生じゃない、誰にも見せないところ。


知ったところで、どうなるわけでもない。
私は先生の恋人でも、特別な誰かでもないのに。


それでも、この人に近づきたい。
先生のこと……――知りたい。


机の上に置かれたイヤホンから、どうしても目が離せなくなる。


(だめ、だめだよ。先生が寝てる間に、勝手にこんなこと)


もし途中で目が覚めて、こんなところを見られたら。
絶対に、「何してんの?」って引かれてしまう。
軽蔑されるかもしれない。


頭ではちゃんとわかっているのに。
吸い寄せられるように、先生から拳一個分の距離をとって隣に座っていた。


(ちょっとだけ。ほんの少しだけだから……)


いけないと思いつつも、イヤホンを手に取り、自分の耳のすぐそばまで近づけた。


アコースティックギターの音。
少し掠れた、男性の切ない歌声。


(……洋楽だ)


英語は得意じゃないから、正確な意味まではわからない。
でも、その響きだけで、何かを強く願っていることは伝わってきた。
誰かに届いてほしいみたいな、そんな感じ。


(先生、こういう曲聴くんだ)


なんだか嬉しい。
先生の内側を、ほんの少しだけ覗いたような気がして。


そういえば、アイリスって……。


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