第10章 初めてのインターハイ予選
タイムアウト終了。試合再開。
龍先輩のサーブがほんの少し相手を乱す。
生まれた余裕で、しっかりワンタッチを取る烏野。
翔陽の速攻が炸裂するが、これもまたリベロに拾われてしまう。
それでもあきらめず、何回も速攻を仕掛けていく。
2回、3回…。
最後の1回で、翔陽の手がボールをかすめた。
意図せず勢いを失ったボールは、そのまま相手コートに落ちる。
24-25
烏野再び逆転。
「やった!!翔陽ッ!!!」
しかし、喜びも束の間、またしても同点に追いつかれてしまう。
ここからまたシーソーゲーム。
激しい攻防戦の末、31-31
どちらのチームも汗だくで、いつだれが倒れてもおかしくない。
そんな状況の中、青葉城西に1人だけ、明らかに動きの軽い人が目立ち始めていた。
13番…、国見さん、だっけ。
練習試合の時、上手ではあったけどそこまで目立つような人でもなかった気がする。
そんな彼が今、この中の誰よりも一番動きにキレがある。
「まだ温存していた選手がいたってこと…?」
気が付けば青葉城西に逆転され、またしても向こうのマッチポイント。
及川さんのサーブが本当に嫌だ。
毎度心臓を持っていかれそうになる。
「…寿命縮みそう」
「弱気になんな!まだ終わってねぇ!!」
「うっ…」
トンッ
しかし、予想していた強烈なボールは飛んでこなかった。
コッチの穴を突くような、前の方に落ちるボールを、何とか大地先輩が拾う。
またここから、長いラリーが続いた。
打っても落ちない、落とさない。
それでも、チャンスはやってきた。
勢いよく飛び出す翔陽に引っ張られるように、飛雄のトスが、翔陽の手へと吸い込まれていく。
―――が。
バチンッ
トン
青葉城西のブロックに阻まれ、ボールは烏野コートへと落ちた。
2-1
烏野敗北。