第11章 新入りさん入ります
「鈴!!」
「うぇっ!?し、翔陽、何…?」
ミーティング後、着替えに行こうと体育館を出ると、翔陽が縋るように泣きついてきた。
「べ、勉強…、教えて…」
そう来たか。
確かに成績優秀な蛍よりは頼みやすいもんな。
「あたしで良ければ」そう口を開きかけた時だった。
「…鈴は無理だよ」
ぬっと出てきた蛍が残酷な言葉を投げかける。
失礼な。無理ってなんだ、無理って。
「な!?何だよ月島!!お前には関係ないだろ!?」
「だって・・・。鈴の勉強ってほぼ”丸暗記”だもん」
「えっ!!??」
蛍に食い掛っていた翔陽がものすごい勢いであたしの方へと振り返る。
「いやー…」
「ノートだって、授業の内容ってより先生がくっちゃべってた無駄話みたいなことをメモしてるだけだし」
「だ、だって!教科書見たら書いてあることをワザワザノート
に書く必要なくない!?」
痛いところを蛍につかれてしまった。
何でノートの内容知ってるんだ。
見せたことないのに。
「それなのに中学の時もわりと上位にいたよね、鈴って」
さらにひょっこりと現れた忠も便乗してくる。
「丸暗記の方が簡単じゃん…」
「テスト終わったらさっぱり忘れてるのにね」
「う、うるさい!蛍!!」
「………」
「はっ、翔陽!あたしで良ければ…って、え?」
あたしたちの会話に絶望したのか、翔陽は仏のような顔をしてさらさらと散っていた。
あたしでは力になれなさそう。
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結局、帰り道に再度捕まったのは蛍。
懇願する翔陽に任せっきりの飛雄を煽って満足したのか、部活前後の少しだけ、と言う条件付きでしぶしぶ勉強を教えることになっていた。