第10章 初めてのインターハイ予選
周りの音が遠くなる。
こんな所で…。
そんな感情が脳内を駆け巡っていた。
「ラストがドシャットか…チビ助にはダメージでかいだろうな…」
「っ…」
タイミングも、高さも完璧に見えた。
スピードだって落ちてなかった。
それでも、読まれていた。
最後の最後、必ず飛雄は翔陽を使うと、及川さんに。
「「「ありがとうございました!!」」」
あたしはぶら下げていた弾幕を無言で片付け、1階へと向かっていた。
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「お疲れ様」
「…うん」
撤収を済ませて解散した後、あたしたちはいつもの帰り道を歩いていた。
忠は沈んだ表情のまま、島田さんのお店に行ってしまった。
蛍に改めて労いの言葉をけるけど、返事はそっけない。
「いい試合だったねー、すごいドキドキした」
「うん」
こういう時も、あんまり負のオーラを醸し出さない蛍に救われることが多い。
それでも、真面目に部活をやってきた蛍だって、悔しいにきまってる。
「あのさ、つ、次は———」
「もういいよ。無理にしゃべらなくて、いいから」
この空気だけでもなんとかしようと口を開けば、蛍に止められてしまう。
「…うん。ごめん」
何も言わない方がいいこともある。
そんなことはわかっていたのに、つい出しゃばろうとしてしまった。
あたしは反論することなく、黙って帰り道を歩き続けた。
次は、次こそは絶対に、勝とうね。