第10章 初めてのインターハイ予選
ポスッ
ネットに引っかかり失敗。
これで青葉城西は20点になってしまった。
「っ…」
かける言葉が見つからないあたしをよそに、近くのお姉さんたちが、「かわいそう…」と嘆いていた。
「ピンチサーバーはそういう仕事なんだ。…その1本に試合の流れと自分のプライド全部乗っけてる。そんで忠は失敗した。でも、アイツにとって今ここで悔しさと自分の無力さを知るチャンスがあることが、絶対にアイツを強くする」
そんな嘆きに応えるように、島田さんはそう呟ぶやく。
「そう、ですよね」
これで”終わり”じゃない。
「”流れ”は、どっからどう変わるのかわからない」
そんな言葉がぴったりとハマるように、先ほどまで力んでいたコート内の雰囲気が少しだけ和らいだ気がした。
龍先輩のスパイクが決まり、烏野得点。
雄たけびを上げる彼らは心底楽しそうで。
―――それでも、点差は埋まらず。
22-24
青葉城西のマッチポイントを迎えた。
「野郎どもビビるなァーッ!!」
夕先輩の大きな声がここまで届く。
「前のめりで行くぜ」
その声に応えるように頷くみんな。
焦りを落ち着かせて、前を向く。
「旭さんナイスキィィ!!あと1点!!」
旭先輩のスパイクが決まって、烏野23点目。
次は龍先輩のサーブ。
勢いよくボールが向こうに飛んでいくが、綺麗なレシーブが上がる。
向こうの攻撃を龍先輩が胸で受けた。
反対コートに飛んでいくボールを飛雄が無理やりトスに変え―――
翔陽が決めた。
24-24
ついに点数が並んだ。
そこで、青葉城西の2回目のタイムアウト。
胃がキリキリする。
「デュースだ…っ!」
ペットボトルを強く握りしめて、あたしは祈っていた。