第10章 初めてのインターハイ予選
「セッターが役割を果たせない時でもハイレベルな攻撃ができ且つ、攻撃力の高い及川も攻撃に加えることができる…。こういうのを見てると流石強豪、って感じするわ…」
驚いて言葉が出ないあたしの隣で、島田さんが冷静に分析している。
ここに来てそんな奥の手、残してたなんて…。
調子を上げた青葉清西が、さらに追加点を決めて3点差に。
流石に烏野もここでタイムアウトになった。
「…心臓痛い」
「気持ち、わかるぞ…」
ぐっと胸を抑えるあたしに同情の視線を向ける滝ノ上さん。
それでも目の前の大事な試合から目を背けるわけにはいかない。
「蛍ぃーーー!!!」
タイムアウト明け早々、蛍が再びフェイントを決める。
応援にもより一層力が入り、思わず名前を叫びだす始末。
一瞬嫌そうな、変な顔をこちらに向けてくる蛍。
ただ興奮して叫んだだけなのに、そんな嫌そうな顔しなくても。
14-12
烏野劣勢のまま、翔陽が夕先輩入れ替わる。
きたきたきた!!
きっとここから、まだ巻き返せるはず———
さっそく炸裂する変人速攻。
しばらく温存していたおかげで、効果は抜群だった。
光り輝く翔陽の存在。
それに目がくらみ惑わされる相手チーム。
翔陽を囮にして開けた道を、先輩たちが通っていく。
見れば見るほど楽しくて、ずっと見て居たくすらある。
15-15
ついに点数が並ぶ。
今度は青葉城西のタイムアウト。
どんな手で対抗してくるのか、また不安が襲ってくる。
これまでも、タイムアウトの後はきっちり軌道修正されてきたから。
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予感が当たってしまった。
翔陽の速攻を追わない代わりに、リベロが下で拾い上げる。
視野が広がる分、威力に劣る翔陽のスパイクはいとも簡単に挙げられてしまった。
そこから畳みかけるような及川さんのツーアタック。
さらに、及川さんのサーブだ。
いつまでも終わらないかのような長いラリー。
それを制したのも———青葉城西だった。