第10章 初めてのインターハイ予選
あっと今に翌日。
昨日の興奮も冷めきらぬうちに会場へ。
2階席に上がると、すでに島田さんと滝ノ上さんが来ていた。
「おはようございます!」
「おお、永瀬!おはよう」
「…すごいですね、なんか」
「…ああ、伊達工も結構な応援の量だったけど、こっちの場合は…」
「きゃ~!!及川君!頑張って~~~!!」
そう、初日とは打って変わって、今日は黄色い声援が鳴りやまない。
こんなにモテる人だったのか、及川さん。
「負けてたまるか行くぜぇぇ!!!」
及川さんの女子人気が気に食わないのか、龍先輩の闘志がものすごいことになっている。
つられて翔陽と夕先輩も。
アップの段階からこの雰囲気はなかなのアウェ感だ。
「烏野ー!!」
「ファイッ!オー!!ファイ!オー!!」
そんな状況を払拭するように、烏野コートから野太い声が響いた。
一緒になってあたしたちも声を上げる。
「お、そういやお前の弟子、サーブうまくなった?」
コートに忠の姿を見つけた滝ノ上さんが島田さんに声をかける。
そういえば、夜な夜な島田さんのところに言って”特訓”をしていると聞いたことがあった。
「なんだよ弟子って…。1週間しか経ってねーんだぞ?まぐれ当たりはあっても、狙って無回転打てるにはまだまだだろ」
「学校でもよく練習してるのは見ましたけど…」
「そうか!真面目だな、アイツも」
「…同級生みんな試合に出てますからね。きっと悔しい気持ちも大きいと思います」
「ま、それもそうだな」
そんな会話をしていると、整列の号令が鳴り響く。
試合開始の合図だ。
応援幕の上で、あたしはごくりと唾を飲み込んだ。