第10章 初めてのインターハイ予選
「お疲れ様です!!」
「おう!見てたか鈴!俺様の勇姿は!!」
「ばっちり見てましたよ!超かっこよかったです!!」
「そうだろうそうだろう!もっと褒めろ!!」
「鈴、あんまり西谷を甘やかすなー」
今日の分の試合を終えて、2階席に上がってきたみんなを出迎える。
2試合もしたというのに、西谷先輩をはじめとする、蛍曰く”バレー馬鹿”の面々はまだ元気が有り余っているらしい。
そんな会話をしつつも、全員視線はコートに釘付け。
その視線の先には、おそらく次の対戦相手の青葉城西の試合だった。
すでに2セット目に入っているが、1セット目も大差をつけて取っている。
よほどのことがなければほぼ確実にぶつかることになるだろう。
「…何もされてない?」
「へっ?」
隣に腰かけている蛍が、静かな声で呟いた。
何って…あ。
「うん、大丈夫だよ。近くに岩泉さんもいたし」
「あ、そ」
それだけ確認すると、蛍も目の前で繰り広げられる試合に集中しだす。
この過保護も最近になって出てきたから、あたしにもよくわからないことが多い。
普段の軽薄な雰囲気は消え失せ、真剣な表情の及川さん。
殺気すら纏っているようにも見える。
練習試合で見せられた強烈なサーブ。
未だにしっかりと上げられるのか、不安に思う部分が残る。
しかし、及川さんはやっぱりサーブだけじゃなかった。
流れるような連携、心なしか練習試合の時よりもスパイクの制度が全体的にも上がっているような、そんな空気。
セッターが代わるだけでこんなにもチームのクオリティが上がるのかと、素人ながらに関心してしまった。
その後、青葉城西もあっさり勝利。
あたしたちは学校に戻ってミーティングをしたのち、解散となった。