第23章 Amazing Grace
「そう。そうなんだよね。俺じゃないんだよ…」
「ん?」
そっぽを向いていた智が俺の顔を見下ろした。
「この前気づいたんだけどさ」
「おん」
「俺のせいじゃ、ないんだよね」
「遅っそ!!」
そんな簡単なこと、なんでわからなかったんだろう。
どうして俺は今までずっと自分を責め苛んでいたんだろう。
「そうだよね。遅いよね…こんなになるまで気づかないなんてさ」
こんなに苦しいのに。
生きてるだけで苦しかったのに。
「間違ってたのは、あっちでさ…」
「そう!そうだぞ!翔!」
智は俺の正面に回ってくるとしゃがんで俺の両手を掴んだ。
「クソ間違ってるのは、おまえの親だ!」
そう言い切って、しっかりと俺の目を見てくれた。
「ぶっ…ぶはっ…」
「翔?」
「く…クソ間違ってるって…」
「え?なんか、変だったか?」
急にオロオロしだした智がおかしくて。
涙が出るほど笑った。
「もお…そんな笑うなよな…」
智が中に来てる長袖の袖で俺の頬に流れる涙を拭ってくれる。
「だって…もお…言い方…ふふふ…」
自分の親のことクソ間違ってるって言われて、こんな気持ちになるなんて。
「ううん。間違ってないよ…クソだよ。うちの親…」