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Maria ~Requiem【気象系BL】

第23章 Amazing Grace


心配をかけたことは申し訳ないと思う。
だけどそのお陰で、俺のことをこんなに思ってくれる人がいるって気づけた。

なんて自己中な考え方だって思うけど、こんなことがない限り俺は永遠に気づけなかったかもしれない。
そう思うと、全てのことに感謝したい気持ちになった。

涙が溢れてくる。



部屋の隅の闇は動かない。

昼間の温かい光が、レースカーテン越しに俺を照らしている。

「あ」

そこでやっと思い至った。

「…新しい、年だ…」


いつの間にか、松の内も過ぎている。
確かに智や西島さんともあけましておめでとうって言い合っていたのに。

やっと新しい年が来たと感じた。

窓の外の暖かい陽の光にまっすぐ目を向ける。
涙をトレーナーの袖で拭いて、その光をめいっぱい吸い込んだ。

「ああ…」

溶けていく。
今までの俺が溶けていく。

「…ありがとう…」

誰に言うわけでもなく、出た言葉だった。
今まで出会った全ての人に。
今まで起きた全てのことに。

感謝したいと思ったのは初めてだった。


「…翔…?」

背後から声がする。

「電話、終わったのか?大丈夫?」

そっと俺の肩に手が載せられた。
その手は温かい。

見上げると、愛おしい人の優しい微笑みがあった。








素晴らしき神の恵み なんと甘美な響きよ

私のような人でなしでも 救われた

私は見捨てられていたが いま見出された

私の目は見えなかったが 今は見える





【Amazing Grace END】
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