第23章 Amazing Grace
『あやまるなよぉ…』
涙混じりの声で三宅先生が言ってくれた。
俺、許されているのかな…
『おまえは真面目過ぎるんだよっ…俺みたいにもっと適当にやってればいいんだって…』
「三宅先生、それは思ってても言っちゃいけませんよ」
『そこはおまえ、適当じゃありませんって否定するとこだろうが!?』
「あ、えっと…失礼しました」
『……ふ…ふふふふふ…』
突然笑い出したと思ったら、ちょっとだけ沈黙があった。
『元気になったんなら、いい』
そのたった一言が、沁みた。
俺にもこんなに心配してくれる人がいる。
俺は間違った生き方なんかしてないって、そう思えた。
「ありがとうございます、三宅先生…」
本当に心からの感謝の言葉を伝えることができた。
ただそれだけなのに、俺の心は温かいもので満たされた気がする。
その後、三宅先生に病院に訪問したい旨を説明して、井ノ原先生や部長にも話をしてもらえることになった。
これから俺がどうしていけばいいかを相談したいということも伝えた。
三宅先生は快くそれを引き受けてくれた。
電話を切ったあと、しばらく動けなかった。
胸がいっぱいで動いたらそれが出ていきそうで。
スマホを握りしめて、真っ暗になった画面をじっと見つめた。