第23章 Amazing Grace
「じゃあちゃんと癒やしてください」
そう言って両手を広げると、智は笑いながら俺のこと抱きしめてくれた。
「こんなので癒やしになるのかよ?」
「なるなる。智って、なんか変な電波出してるから」
「電波…」
「ちゃんと充電できるよ」
ぎゅっと智の体を抱きしめると、智も少しだけ俺を抱きしめる腕に力を入れてくれる。
「まだ…骨ばっかりだな」
「うん。頑張って食べるから」
「ばーか。頑張んなくてもいい」
「…うん…」
ポンポンと俺の背中を叩くと、体を離して俺の顔を覗き込んだ。
「その…」
「ん?」
「話したくなかったら無理しなくていいけど」
「あ…」
さっき、俺が西島さんと話してたことだ。
「翔が話したいなって思ったら、話せばいいし。一生誰にもいいたくねえって言うんなら言わなくていいんだからな?」
「智…」
俺の頭に手を伸ばすと、髪を撫でてくれた。
「全部言わないからって俺に対して引け目を感じる必要もねえからな?」
智は少し笑った。
「俺たちは二人でひとりだけど…それでも何でもかんでも知ってなきゃいけないってことはないと思うし」
「うん…」
「ただ、悲しかったり苦しかったりするんなら、言って欲しいって俺は思う」
ぽんと俺の頭を叩くと、ニカっと笑った。
「それはお前も一緒だろ?」
「うん」
智が苦しいのなら。悲しいのなら。
それは俺に伝えて欲しい。