第23章 Amazing Grace
誰も──
そう、俺の家族以外は
「起きてて大丈夫なのか?」
ベッドの上で体を起こしていると、智が部屋に帰ってきた。
「うん」
「そうか。西島がな、翔の気分がよかったら外に連れてけっていうんだけどさ」
「ああ…体動かせって言ってたよ」
「明日、調子が良かったらどっかいくか?」
俺の顔色を伺うような顔して、智はベッドに腰掛けてこちらを見た。
「あー…天気と、調子が良かったらな。どっか行かねえかなって…」
西島さんになにか言われたのか、叱られるようないたずらをした犬みたいな風情で俺のこと見るのやめてほしい。
「ぷ…くくく…」
「な、何笑ってんだよ」
「なんでもない…くく…」
「じゃあ、行くからな?明日」
「う、うん…わかった」
笑いながら、どこか公園にでも行って散歩をしたいなと思った。
明日、天気がよかったらそれができるかもしれない。
「じゃあ、ちゃんと行けるように体調整えなきゃ」
「おう。飯いっぱい食えよ」
「…智さあ」
「ん?」
「俺には飯さえいっぱい食わしておけばいいって思ってない?」
「ぎく」
「あ、やっぱり」
「そ、そんなことはねえからな!」
まあ体型を元に戻すことを考えたらいっぱい食べなきゃいけないのは合ってるんだけどね。