第23章 Amazing Grace
西島さんと智が部屋を出ていくと、しばらく俺は一人になった。
多分二人で話でもしてるんだろう。
智が戻って来る気配はなかった。
ベッドに横になりながら静かな天井を見上げて、さっきの西島さんとの話を思い出していた。
なぜ──どうして自分が不完全なんだと思い込んでいたか。
それは周囲…特に家族が俺のことをそのように扱ったから。
ただ同性愛者だというだけで。
俺の性向がわかったとき、親たちの衝撃はいかばかりだったか。
それは、想像に難くない。
年の離れた弟がいることが、いい証拠だ。
「修が生まれた時点で…捨てられた…」
それは何度も何度も、思春期になった頃から俺を苦しめていた『事実』だった。
俺が不完全であるから。
俺が完璧じゃないから。
俺が同性愛者だから。
自分で自分を責めて。
どこまでも責めて。
生まれたことを呪った──
どうして同性愛者が生まれてくるのかということは、医学的にひとつの答えが出ているわけではない。
遺伝だという説もあれば、母の胎内にいるときにストレスを受けたためとも、あるいは脳機能の異常とも言われている。
どれをとっても
俺が原因じゃない
原因であるはずがない