第23章 Amazing Grace
「…ちょっと核心を突いてしまったんだろうよ」
「え?」
「まあ、俺からは説明することはできない。翔に直接聞いてみろよ」
少し間が空いた。
「答えてくれなかったらどうしよう…とか思ってんの?」
「は?」
くっくっく…と西島さんの笑い声が聞こえてくる。
「おまえ、自分がどうだったか思い出してみろよ」
「はあ…?」
「翔に自分のこと話したときのことだよ。8年前だったか?」
「それがなんだよ」
「そんとき、翔に全部喋りたいって思ったかってこと」
また智が黙り込む気配がした。
そっと目を開けると、部屋の中は薄暗くなっていた。
遮光カーテンが閉められているようで、カーテンの隙間から床に伸びている一筋の光はまだ明るい。
あれからさほど時間は経っていないようだった。
「翔、起きたのか」
西島さんが先に気づいてベッドの横に置いてある椅子に座った。
俺の額に手を置くと、少し考える顔になってる。
「少しばかり熱があるな」
「え…?」
「焦る気持ちはわかるが、無理は禁物だぞ」
無理…なんかしてないんだけどな。
ただベッドで寝てるだけだし。
「あんたと話しててこうなったんだから、あんたのせいでもあるだろ?」
後ろから見てた智がぶーたれた顔をしてるのが見えた。