第23章 Amazing Grace
自分でも驚いていると、智も驚いた顔をしていて。
なんだか可笑しかった。
「ふふふ…」
「なんだよ…」
「ううん…」
二人して笑って。
手元のパン粥とお互いの顔を交互に見て。
「…で…、ズッパってなに?」
気まずそうに聞く智に思わず吹き出した。
「ご、ごめん」
「なんだよ…笑うなよ…」
鼻の奥がツンとするほど笑って笑って。
「ズッパってイタリアのスープのことだよ。某ファミレスにあるメニューなんだけど食べたことない?」
「ふうん。ねえな」
「本場のズッパは、基本は具沢山のスープってとこかな。パン粥と似てるのもあるけど、パンが入ってない場合もあるし具だくさんでとても食べ応えがあるよ」
「おお…日本でいう豚汁か芋煮か」
「とんじるかいもに」
智の思考が面白くて、また笑った。
「なんだよ。そんな面白い?」
「うん…おもしろい…」
ホントは朝からこんなに楽しくていいのかって思う。
少しだけ部屋の隅の闇が揺れた気がしたけど、それを見ないよう感じないようにしてる。
「楽しみだなあ…」
「おう。その前にもっと食えるようにならないとな」
「うん。でも少しずつでいいって稲垣先生も西島さんも言ってくれてるから、ゆっくりね…」
「ああ。焦ることはねえよ」