第23章 Amazing Grace
あれから、少しずつ俺の体は回復している。
一度あんなボロボロになるまで痛めつけた体は、容易には元に戻ることはなく。
毎日少しずつ、少しずつ。
小さな積み木を重ねるように、回復していっている。
「お。全部食えたな」
「おかげさまで」
朝食に作ってくれたパン粥は、いつもより少し多めにバケットが入っていたが、今日はそれを残すことなく食べることができた。
「今度はガーリックのバケットにしようか」
智がニヤッと笑いながら俺の顔を見た。
食欲があるか確かめようとしているんだろう。
「美味しそうだね」
胸焼けしそうだなとは思うものの、にんにくの香りを思い出し美味しそうだと思う気持ちが勝った。
「じゃあ、今度チーズと一緒に買ってくるよ」
チーズとコンソメ味とガーリックバケット…某ファミレスのイタリアのズッパみたいな味になりそうだな。
「あ」
そんなことを思うほど、食に興味が戻ってきたことに気づいた。
「ん?どした?」
智が不思議そうな顔で、思わず声の出た俺を見ている。
「ううん…なんか、楽しみで…」
「え?」
「智の作ってくれるパン粥が、イタリアのズッパみたいな味になりそうって思ったら、楽しみで、さ…」