第22章 1 John 1:9
「ごめん…なさい…」
あの時こんなにも智が辛い思いをしていたなんて…
そんな智に俺は生きろって
俺のために生きろって残酷なことを言ってたんだ
死ぬよりも辛い生って、一体必要なのか
「ごめん…俺は、俺のために智に生きてほしかったんだ…」
「翔…」
「こんな辛いことを俺は智に…」
「俺はっ…」
握られた手が離れていったかと思うと、俺の体は智に抱きしめられていた。
「生きてて良かったっ…こうやって翔の傍にいられて良かったっ…後悔なんかしてない!」
俺の…傍に…?
「智…俺は人をころしたよ…?」
「俺だって殺した!今だって殺してる!おまえよりも何十倍の罪を背負ってる!でも生きてるんだっ…」
「智…」
「俺達はっ…生きてるっ…」
ああ…
「でも…能村さんの娘さんたちも、死んじゃったんだ…」
「え?」
「無理心中だったって…」
「それはおまえに関係ない」
「でも俺が能村さんに検査を勧めなければ…」
「それはそいつの弱さだ。娘たちの命は奪ったのは、その母親だろうが!勘違いするな」
脳みそを殴られるかのような衝撃を受けた。
「能村さんが…?」
「当たり前だろうがっ…その罪はその母親のものであって、翔の罪じゃないだろ!?」