第22章 1 John 1:9
俺の…罪じゃ…ないの…?
「そいつが命を絶ったのは、そいつの弱さだ。娘たちを連れて行ったのも、娘たちを信じきれなかったそいつの弱さであって、おまえの罪じゃねえだろっ……」
泣くような叫ぶような声だった。
「俺みたいな罪は、俺だけが背負えばいい…翔は、医者としてやるべきことをやったんじゃないか。どうしてそれが責められなければならないっ」
「智……」
「生きろ。俺が8年生きてきたんだ。おまえも8年生きろよ……」
「智…智…」
「同じくらい生きたら、許してやる……!」
熱い、智の涙が俺の手に落ちた。
「あ……あああっ…あああああああああああああっ…」
智、ごめん
ごめんなさい
ごめんなさい
能村さん
ごめんなさい
俺は一緒に逝くことはできません
あなたたちの分まで、俺は生きて生きて
生き抜きます
ごめんなさい
それから泣いて泣いて。
涙と喉が枯れるまで泣いて。
気がついたら、部屋の中は真っ暗で。
俺は眠りに落ちる寸前だった。
「翔……もう、俺の傍を離れるな…」
「うん……」
遠のく意識の中聞こえた声に、返事をした。
「俺も、離さない……よ……?」
そう言うと、ぎゅっとまた俺の手を握ってくれた。
【1 John 1:9 END】