第22章 1 John 1:9
見送って、台所で冷蔵庫を開けた。
水のペットボトルを取り出すと、またベランダから智の部屋に戻った。
まだ部屋の中は暗かったから、智は戻っていないようだった。
水を一口飲んでボトルをベッドサイドに置くと、ベッドに潜り込んだ。
仄かに智と俺の体臭が入り混じった匂いがする。
胸いっぱいに吸い込むと、目を閉じた。
考えなければいけないことがたくさんある。
あるけど、今はただ眠りたい。
何も考えず、ただ智が帰ってくるのを待ちながら…
なんで…?
なんで私達を殺したの?櫻井くん…
「翔…?」
智の声が聞こえる。
でも水面の向こう側にいるかのような声で。
クリアには聞こえてこない。
「風呂に入ってきたのか?」
「…うん…」
目を開けると暗い中、ベッドに座って智が俺のこと見下ろしてる。
「熱、出てる」
「え…?ほんと…?」
だから智の声がクリアに聞こえないのか。
「無理して風呂入るから…」
「でも気持ちよかったよ」
「そっか。良かったな」
髪を撫でられて、心底嬉しかった。
「なんか食うか?」
「うん…」
「パン粥、作ってやろうか?」
「智のかーちゃんの味…」
「ああ。すぐできるから食べよう」