第22章 1 John 1:9
逆ギレ気味にそう答えたら、へなへなと潤は床に座り込んだ。
「え…?え?どうしたんだよ、潤…」
「どうしたもこうしたも…よかったあっ…」
泣きそうな顔をして、潤は俺の手を握った。
「良かった!本当に良かったっ…」
「潤…」
潤の手は熱かった。
その熱さに、潤が毎日毎日俺の家に来てくれていたことを思い出した。
あれも夢だとばかり思っていたけど……
「…飯…?」
床に投げ出されたビニール袋の中から、食べ物の匂いがしていた。
「ああ…今日は中華だ」
「中華…」
想像しただけで、胃が重たくなった。
「もうちょっと…あっさりしたものがいいな…」
「何持ってきても食わなかったじゃねえかよ!!」
「中華だっておかゆとかいろいろありませんでしたっけ!?」
バチッと目が合った瞬間、潤は吹き出した。
「ぶっ…」
「な、なんだよ!?」
潤は握ってた手をぎゅっとまた握り直した。
そしてその手に額をこつんとくっつけた。
「よかった……」
俯いてる潤の表情は伺えないけど、泣いてるのかな。
暫くその姿勢のまま動かなかった。
「……ごめん、潤」
そう呟くことしかできなかった。
多分、一番身近で、一番心配してくれていたんだろうから。
血の繋がった家族よりも。