第22章 1 John 1:9
その時ふと、昼間来ていた智の知り合いのおじいさんの顔が浮かんだ。
ああ…智、なのかな…?
「遠縁の…人なんだ」
「え?」
潤は俺のこと椅子に座らせると、バスタオルで俺の頭をゴシゴシと拭き出した。
「じゃあその遠縁のじいさんは今どこにいるんだよ?」
「今は家に帰ってるよ…」
「ホントなんだな?」
「うん」
そう答えたら、潤は黙り込んでしまった。
やっぱり怪しすぎるよな…
遠縁の親戚の話なんかしたこともないし。
決まりが悪くてしばらくされるがままにしていた。
潤は無言でゴシゴシと俺の頭を拭く。
そんなことをしていたら、ふと潤の手が止まった。
「…なんで泣いてたんだよ」
髪の毛のついでに、涙まみれになってた顔も潤はゴシゴシと拭いた。
「別に…」
そう答えると、潤は屈んで俺の顔を覗き込んだ。
「翔…?」
「え?」
「もしかして…正気に戻ってるのか?」
そう言われて、どう返事をしていいかわからなかった。
「おい…わかるか!?」
潤は俺の肩を掴んだ。
痛いほど、潤の手には力が入っていた。
どう答えていいか、わからなかった。
だからたった一言しか返せなかった。
「わかってるよっ…」