第22章 1 John 1:9
「あの…」
体を起こすと、西島さんが俺の寝ているベッドにジャケットを放り出した。それからどかっとベッドに片膝を乗せて座って、俺の目をじっと見てきた。
「その、ありがとうございます」
「…俺が誰だかわかるのか?」
「東陽病院にいた…西島先生、ですか…?」
確信は持てなかったが、8年前のことを思い出したから確認したかった。
「翔!おまえ…」
智が少し大きな声を出したけど、西島さんはそれには構わず俺の手首を握って自分のほうに引き寄せた。
「わっ…」
近くで見る西島医師は、迫力のある整った顔で。
女性に人気がありそうな顔だと思った。
「どうしてこうなったか、自分で理解できてるか?」
「…はい…」
西島さんの言いたいことは、なんとなくわかった。
なんでこんな自分を傷めつけるような真似をしてるのか…
そう聞きたいんだろう。
稲垣さんみたいな、医者としてのプライドの圧を感じる。
「わかっているなら、これ以上こんなこと続けている場合じゃないよな…?」
そして、怒りも。
「それは…そう、ですね…」
「しばらくは、体を元に戻すことに専念してくれ。それ以外のことについては、追々話を聞くから。どうしていったらいいか、一緒に考えよう」
「え…?」
意外な答えに、頭が混乱した。