第22章 1 John 1:9
部屋のドアが開く音がした。
その方向を見ていると、智が部屋に入ってきた。
パーカーにチノパンというリラックスした姿だ。
サイズが大きいのか、チノパンの裾は折り曲げられてる。
俺のいるベッドの方は見ないで、キョロキョロと部屋を見渡している。
なにか探してるのかな。
「あった。ここに置いてたよ」
部屋の外に話しかけてる。
誰か居るのか。
あの白髪のおじいさんかな…
「そうか、こんなところに置いてたか」
智の後からワイシャツにスラックス姿の西島さんが入ってきた。
疲れた様子で、部屋に置いてある椅子に掛かっていたダークスーツのジャケットを手に取った。
「じゃあ俺は帰るから…点滴が終わったら教えた通り、管を外して…」
「ああ。ルートってやつは残しておけばいいんだろ?」
「そうだ。また点滴が必要になるから、そのままにしておいて…」
そう言って俺の方を見て黙り込んだ。
「あ…」
お礼、言わなきゃ。
多分俺のためにここに来て、稲垣医師のところに連れて行ってくれたりしたんだと思う。
「あの…」
起き上がろうとしたら、智がベッドに駆け寄ってきた。
「翔、起きてたのか?体起こすか?」
俺の背中に腕を入れると、起き上がらせてくれた。