第22章 1 John 1:9
明るい部屋の中で目が覚めた。
キラキラの光が窓から部屋の中に差し込んでる。
ああ…
体が怠い。
全部の重力が俺の体の上に乗っかってるような怠さ。
見上げるとベッドサイドに輸液スタンドがあるのが見えた。
そこには輸液の袋がぶら下がっていて、俺の腕にはルートが取られて点滴をされている。
「現実…」
これは、夢じゃない。
現実なんだ。
俺が人殺しをした現実の延長線。
眩しくて腕で目を隠した。
熱は少し残ってる感じがする。
でも38度はもうないだろう。
あの時より体が楽になってる。
きっと高熱を出したから、稲垣さんからいろいろと処方を受けたんだろうと思う。
でもここは智の部屋だ。
この点滴は西島さんが施したものだろう。
意識を失う前に、智が連絡すると言っていたのを思い出した。
「西島…ってあの、西島なのか…?」
8年前、智を雅紀さんに引き渡すときに聞いた話…
智を東陽病院にいた、あの西島医師に任せると。
智は元気そうだ。
もうフラッシュバックもしてないみたいだった。
それは…西島さんが治療に成功したからに違いない。
「ああ…」
よかった。
智はこの8年、ご家族のことで自死を選ぶほど苦しまず…
自分を追い詰めず、過ごせたに違いない。