第22章 1 John 1:9
レースカーテンを開けて、窓の鍵を解錠した。
窓をそっと開けて顔を出してベランダの声がする方を見た。
自分がいる部屋の反対側の仕切り板のところに、背の高いおじいさんと智がいた。
仕切り板のアクリル板はなくてぽっかりと穴が空いてる。
その向こうに見えるのは、俺の部屋のベランダに置いてあるテーブルセットみたいだった。
智と一緒に座って、夜空を眺めた…
あの、テーブルセット。
もう買ってから何年も経ってて、ガタが来てるんだけどそのままにしてある。
そこに座ると、どんなに疲れていても智と過ごした数ヶ月が鮮明に思い出せた。
俺にとってどうしても捨てることのできない物だ。
「え…?」
どうして…
本当にここは俺の部屋の隣なの?
思わずベランダに裸足のまま降りた。
「ひゃっ…」
思いがけずベランダの床は冷たかった。
その感触が足裏にダイレクトに響いて、思わず付いた足を上げてしまった。
その拍子に後ろに思い切り転んでしまった。
「翔っ…」
バタバタと足音と、智の声。
すぐに俺の腕は誰かに掴まれた。
「どうしたんだよ!?なんでベランダに出てきたんだ!」
智だ…
こんなに慌ててる姿、初めて見るかも。
「おいおい、智…びっくりしてんじゃねえか。そんな怒鳴ってやんなよ…」
髪の毛が真っ白なおじいさんは、智の後ろに立って俺を見下ろしてる。