第22章 1 John 1:9
「あんだとコラ?俺が飢えてもいいってことか?」
「飢えるって…」
すんごい智は嫌な顔をして俺を見上げてくる。
「お腹すいたなあ。もうぐーぐーだぜ」
「ちょ…」
「お腹がぐーぐーぐーぐー鳴ってるんだけどなあ?翔」
「顔…近…」
「おーなーかーへったー」
なんか、駄々っ子みたいに迫られてる。
「わ、わかったよ」
一体俺は何の夢を見てるんだ?
「言ったな?食えよ?」
智は素早く俺のスプーンと皿を手に取った。
すぐにスープを掬うと俺の口に持ってきた。
「ん」
「わかったよ…」
口にまだ温かいスープが入ってくる。
とても美味しい。
「んまいか?」
「ん…」
でも…こんな美味しいものを、智に食べさせて貰ってていいのかな。
俺は人殺しなのに。
「食え」
口を開けなくなってしまった俺に、智は低い声で迫ってくる。
「もういい」
「食えって」
「だめだよ」
「……」
だめなんだよ
俺ばっかりしあわせになっちゃ
「ぐっ…」
「翔?」
「も、う…無理…」
「どうした?気持ち悪いのか?」
吐き気が込み上げてくる。
出せ、出してしまえと俺の中で声がする。
「ううっ…」
出したくない。
「智…」
「翔!?」
「智のかーちゃんの味…」