第22章 1 John 1:9
パン粥がいつの間にか出来上がってた。
俺の手を握ってたはずの智は、エプロンを着けて俺の横に立ってる。
「ちゃんと食えよ?」
「うん…」
おかしいな。夢なのに。
コンソメのニオイと、チーズや牛乳の煮える匂い。
温かな湯気を出す食パンの入ったスープはとても美味しそうに見えた。
「食べてもいいの?」
「いいよ」
「かーちゃんの味」
「ああ。食えよ」
智はテーブルに置いてくれたスプーンを取ると、少しパンを崩してスープを掬ってくれた。
「ほら。熱いから気をつけろよ」
ふーふーして、恐る恐る口を開けたら、スプーンが口の中に入ってきた。
「んま…」
「よかった。食え食え」
智は今度はふーふーして、俺の口にスプーンを運んでくれる。
「自分で食べられるよ」
「いいから食え」
言われるがまま、口を開けて。
何度も何度も智はスプーンを差し出してくれる。
奇妙な夢だなあ…
「智も食べてよ」
スープが半分くらいになって、そう言ってみたら智は笑った。
夢の中の智が食事をするのは、この前の夢で見た。
「おまえが全部食ったら、食うよ」
「ええ…?」
どうしよう。困ったな。
もうお腹いっぱいなのに…