第22章 1 John 1:9
能村さんの顔が頭に浮かんでくる。
恨めしそうな顔をして、俺のこと見てる。
どうしてもっと違う方法を取れなかったんだろう。
どうして能村さんを追い詰めるようなことしかできなかったんだろう。
どうして…死なせてしまったんだろう。
「う…」
ずっと考えてると、吐き気が来る。
「翔?どうした?」
「なんでもない…」
「なんでもないって顔かよ」
夢の中の智は、とっても心配性で。
バタバタと俺の前まで来ると、顔を覗き込むようにしてしゃがんだ。
「大丈夫だよ…」
ちょっと気持ち悪くて俯いただけで、こんな必死な顔して俺のところに飛んできてくれる。
「大丈夫ってツラかよ…」
そっと俺の手を取ると、ぎゅっと握ってくれる。
温かい手…
夢なのに安心する。
「ごめんね…心配かけて」
そう言ったら、すごくびっくりした顔で俺を見る。
「翔…」
どうしたの?なんでそんなびっくりしてるの?
「なあに…?」
よくわからなかったから、智の頬を両手で包んだ。
温かい体温が手のひらから俺の体の中に流れ込んでくるようだった。
「夢なのに心配性だなあ…」
そう呟くと、智はまた悲しい顔をした。