第21章 Psalm 121:1-3
キッチンに戻って調味料を探してみたら、結構揃っていた。
用意したのは雅紀か松岡のじいさんか…
二人とも料理はするから、判断がつかなかった。
スマホでパン粥のレシピを調べたら、離乳食のレシピばかり出てきて驚いたが、大人のパン粥というレシピを見つけた。
どうやらこれが母さんの味に近いようだった。
食パンと玉ねぎを切って、コンソメで味を整えた牛乳で煮込んで、最後に粉チーズを入れただけの簡単な料理だ。
鍋も調理器具も良い物が揃っていて、今の俺の棲家よりも快適に調理は終わった。
「もうちょっと待ってろよ」
「うん!」
ニコニコしながら翔は俺のことを見てる。
現実だってわかってるのかどうか…
子供みたいな無垢な顔して、ただ俺を見てる。
でもその顔も腕も体もガリガリに痩せ細ってて。
痛々しくてならなかった。
「無理しなくてもいいけど、とにかくちゃんと食べるんだぞ?」
「うん…」
出来上がったパン粥を器に盛って、翔の前に出した。
俺の分もカウンターテーブルに置いて、パントリーの中にあった折りたたみ椅子を持ってきて座った。
「いただきます」
「…いただきます…」
その声だけで食欲がないのは明白だった。
でも翔をじっと見ていると、渋々口にスプーンを運んだ。