第21章 Psalm 121:1-3
カウンターテーブルの椅子に座らせると、エアコンを入れた。
部屋が温まるまで寒そうだから、翔には部屋から毛布を持ってきて被せた。
「翔、おかゆと普通の飯、どっちがいい?」
「うん…」
曖昧に翔は笑う。
多分食べたくないんだろう。
「食べないと…」
「わっ…わかった!じゃあパンがいい!」
「パンか…」
翔のやせ細った顔を見てると、あんまり普通の飯はいけない気がした。
「じゃあ、消化にいいようにパン粥にしような」
「パン粥…?」
食べたことがないのか、また翔は不思議そうな顔をした。
「うちの母ちゃんがよく作ってくれたんだ」
「智のかーちゃん…」
「ああ。懐かしいな。あんな味出せるかどうかわからないけど…」
そう言って冷蔵庫を開けてみたけど、パンや牛乳なんか入ってるわけもなく。
思いついてベランダに出て翔の部屋に入ってみた。
案の定、冷蔵庫には食材が入っていた。
家政婦さんが作ってくれたであろうおかずや、松本潤が買ってきたであろう惣菜までいろいろあった。
冷凍庫に食パンが冷凍してあったのやらなにやらを持って、自分の部屋に戻った。
「あ…この穴どうしよ…」
翔と俺の部屋の間にある仕切り板を蹴破ってしまった。
あとで松岡のじいさんにでも、どうするか相談しよう。
それから、松本潤にも…
しばらく来るなって連絡しないといけない。