第21章 Psalm 121:1-3
次の日の朝。
眠い目を擦って起きると、翔はもう目を覚ましていた。
「翔…起きてたのか?」
不思議そうな顔で、隣に寝転がっている俺を見ている。
「智…」
「ん?」
「なんでここにいるの?」
「さあ…なんでだろうな」
西島に昨日言われたことを思い出した。
「翔、なんか食えるか?」
「え…?なんかって…?」
「だから、朝飯」
「あさめし」
本当にわけがわからないって顔をしてる。
「ちょっとここで待ってろ」
そう言ってベッドを抜け出そうとしたができなかった。
「ぐえ…」
翔が後ろからシャツの裾を全力で引っ張っていた。
「苦しいだろうが」
「行っちゃだめ」
「家からは出ていかないから」
「本当に?」
「ああ。一緒に来るか?」
「うん」
翔を抱き上げてリビングに入った。
ここでも翔は不思議そうに室内を見ていた。
多分、自分の家みたいなのに違うから戸惑っているんだろう。
「ここはどこ…?」
「おまえの部屋のすぐ隣だ。俺は今日からここに住むから」
「ほんと!?」
ぎゅっと翔は俺に抱きついてきた。
「ああ…そのかわり、ちゃんと飯食うんだぞ?食わなかったら、ここから追い出すからな?」