第21章 Psalm 121:1-3
昼間と同じコインパーキングに停めてマンションまで戻ると、応接セットのソファで西島が、微動だにもせず布団に包まった翔を横抱きにして待っていた。
異様な光景だったが、幸い人はいない。
コンシェルジュみたいな、入口に人がいるようなマンションだったら、ちょっとヤバかったかもしれない。
「待たせた」
「ああ。行こう」
俺が翔を抱えて、西島がカードキーで入口の自動ドアの鍵を解除してくれた。
エレベーターに乗り込むと、西島が翔の顔を覗き込んできた。
「よく眠ってるな。今日はこのまま寝かせておいてくれ」
「わかった」
「明日は朝起こして、起きないようならそのまま寝かせてもいい。でも昼には起こして飯を食わせてくれ。食うものはなんでもいい」
「柔らかいもののほうがいいか?」
「ベッドから起き上がれなかったら、そのほうがいいな」
「わかった」
「歩けるようだったら、外に連れ出してくれ。散歩をさせて陽の光を浴びさせてくれ」
部屋に入って翔を寝室に寝かせてから、西島を玄関まで見送った。
どうやらエントランスで部下に連絡をしたらしく、迎えはもう近くまで来ているそうだ。
「こんな遅くまですまなかった」
時間は深夜の二時になろうとしていた。