第21章 Psalm 121:1-3
西島に住所を伝えて電話を切ると、玄関で靴を取ってベランダに出る。仕切り板を蹴破って翔の部屋のベランダに入った。
寝室で横たわる翔を抱き上げた。
やっぱり、軽い。軽すぎる。
そのままベランダに出て、こちらの部屋に戻った。
リビングのソファーに翔を寝かせると、他の部屋を物色しに行った。
真ん中の部屋には何もなかったが、一番奥の部屋にダブルサイズのマットレスが置いてあった。シーツや布団がセットされてないから、クローゼットを漁ってみたら布団やなんかが出てきた。
慌ててベッドメイキングしてリビングに戻ると、寒そうに縮こまっている翔の体を抱き上げて寝室に運んだ。
布団を被せて、やっと少し落ち着いた。
「翔…」
少し苦悶の表情を浮かべている。
「なにがあったんだよ…」
額に触れてみたら、少し熱かった。
熱があるのかもしれない。
立ち上がってリビングに戻ると、キッチンの冷凍庫を開けた。
なぜかアイス枕が3つほど入っていたから、それを洗面所でみつけたタオルで包んで翔の頭の下に入れた。
「ん…」
その時、翔の目が開いた。
あんまり突然だったから、目を逸らすことすらできなかった。
「…さとし…?」
掠れた声のよびかけに、応えることができなかった。