第20章 Romans5:3-4
眺めは、翔の部屋と変わらなかった。
夜景の中にたくさんの光が渦になって広がってる。
きらきらと宝石箱をひっくり返したみたいだ。
「なんで…」
こんな眩しい…夜でも光の当たる道におまえは立ってる。
本来なら暗闇を歩んでいる俺と道は交わらなかった。
なのにあの夜、なぜ俺達は出会ってしまったんだろう。
8年の間、繰り返し繰り返し考えてきたけど、やっぱりわからない。
あれからそれなりに(アンダーグラウンドな奴らではあるが)出会いはあったし、関わってきた。
なのに、あんな風に好きだと…抱きたいと思ったことは、後にも先にもあれきりで。
だから俺は、翔にこだわり続けてるんだと思う。
あの時した約束は叶えることはできない。
それでも俺は、翔の人生を見守り続けるだろう。
例え翔が、他の誰かと幸せになったとしても…
それは続けていくんだろう。
コーヒーが入ると、マグカップに注いだ。
カウンター・テーブルにそれを置くと、持ってきたナイロン製のバッグを開けた。
明日からどう翔の部屋へのアプローチをするか考える合間に、この中にある写真と資料をチェックしようと思った。
後から雅紀が全てまとめて整理したものを画像データにして送ってくれるというが、今ここでこれを見たい気分だったから。