第20章 Romans5:3-4
キッチンに入ると冷蔵庫を開けてみた。
ちゃんと冷えていて、中に飲み物もある。
多分これは好きにしていいと思ったから、水のボトルを出して蓋を開けた。
ごくりと一口冷たい水を飲むと、いくらか思考がはっきりした。
水をゆっくりと飲みながらキッチンにある棚を開けてみたら、食器まで揃っている。
パントリーを開けたら、カップラーメンまで揃ってる。
賞味期限は過ぎてはいないから、少なくとも買ってから半年は経っていないはず。
「誰か住んでたのか…?」
でも誰かが居たような形跡はなかった。
きれいに整頓されている室内は少し埃を被っているくらいだ。
喉が潤ったらボトルの蓋を締めて、シンクの作業台に置いた。
そのままリビングの方に歩いていく。
翔の部屋とは違って、ダイニングテーブルは置いていなかった。
その代わりに、キッチンユニットに広めのカウンターテーブルがくっつけて設置してあって、椅子が一脚だけ置いてある。
更に少し奥に進むと、白い壁にテレビが据え付けられていて、その向かいにはローテーブルと3人掛けのソファーが置いてある。
やっぱりここもきれいに掃除されていて、誰かが居た痕跡は探せなかった。
窓にもちゃんとカーテンが掛かってて、レースカーテンまである。
カーテンを開けてベランダを覗き込んだ。
そこにはスリッパまで置いてある。
「本気で誰か住もうとしてたんじゃねえか…?」