第14章 1 Corinthians 13:4
「な?一気にきな臭くなっただろ?」
「ああ……」
ゾッとした。
これが全くの偶然とは、さっきの記事を見ていたら思えなかった。
「この記事を見て、それでも警察は動かなかったのか…」
「まだそれは調べてるとこだけど、警察内部のことだからね」
「だってこんなの……どうして調べてないんだよ?おかしいじゃないか」
潤は眉間に皺を寄せてパソコンの画面を見ている。
「週刊INDIRECTは、ゴシップ雑誌だった」
「え?」
「三流の、嘘てんこ盛りの記事ばっかり載せてたような雑誌でさ。だから残念ながら警察は動いてないんじゃないかな。読んでる人もそんなに居なかったようだし」
「なんでそんな雑誌にこの事件が載ってるんだ?」
「…この記事を書いた人、大野の家の近所の人なんだ」
「え?」
もしこれが、事件だとして──
この記事を書いた人を入れたら、4人もの命が奪われたことになる。
「このひき逃げ事件、真犯人の仕業に思えてしょうがないんだ」
潤の顔を見上げると、険しい顔をしている。
「潤……」
信じてくれてる。
智がやってないってことを。
「なんだよ?」
「いや…」
涙が出そうになった。
この世で、俺だけでも智の味方になろうと思ってたけど、潤が居てくれるのがとても心強く感じた。
そして、亡くなった記者も…
「H・Tさん…も、智が犯人じゃないって、信じてたのかな…?」