第14章 1 Corinthians 13:4
さっき見ていたノートパソコンを一時的に置いていた椅子の上から取ると、丸テーブルの上に置いた。
「ちょっと一緒に見てもらえるか」
そう言うから、席を移動して潤の隣りに座った。
店員が食後の中国茶を出していったが、潤は見向きもしないで一心不乱に資料を探している。
これがジャーナリストになろうとしている男の姿なのか。
初めて見る姿にちょっとたじろいだ気持ちになる。
自分はさっきまで医者になれるだろうかなんてウジウジしてたのに、なんて差なんだろう。
「あった。このインタビューなんだけど…」
ノートパソコンを覗き込むと、雑誌のコピーの画像があった。
「ちょっと読んでみてもらえる?」
「ああ」
隅を見ると『週刊INDIRECT』と書いてある。
聞いたことのない雑誌の名前だ。
ざっと目を通すと、驚く内容が書いてあった。
事件後の大野家の経営していた会社についてだ。
智の父親と母親の立ち上げた会社で、小さくはあるものの売上高は好調だったということだった。
事件後、親戚の手でなんとか会社経営をしていたが、経営をしたことがないということで手に余り、事件の数年後には売却したという。
ここまでは想像できる範囲というか。
まあそうだろうって思える内容だった。
問題はこの先だった。