第14章 1 Corinthians 13:4
ボリボリと頬を掻くと、真面目な顔をした。
「…そうだな…その人のことを思うだけで、胸があったかくなって幸せな気分になる…とか…?」
ボソボソと潤が答えてくれた。
「おや、松本さん」
今度は俺が手にマイクを持ってるふりをして潤の方に向けた。
「松本さんにもそんな初恋があったんですか?」
「おま…バカにすんなよ?」
顔を手で覆うと、クスクスと笑い出した。
「おまえの初恋が遅すぎるんだって」
「え?」
ふぅと息を吐き出すと、俺の方に顔を向けた。
「いい年して精神がまだ未熟だっつってんだよ。なんだよ20歳過ぎての今頃の初恋とか」
「え、なんかおかしい?」
そう言うと、バツの悪そうな顔をした。
「あ~…まあ……恋愛対象が同性っていう特殊さのせいなのはわかるけどな」
「特殊…」
自分がまともだとは思ったことはないけど、特殊と言われることもなんだか抵抗がある。
思い切りぶーたれた顔をしたら、潤は笑った。
「そんな拗ねんなよ。そう思える相手に出会いにくいっていう壁はあると思うぜ?」
「あ…まあ、そういうのはあるな」
そう言うと、潤はうんうんと頷いた。
なんだか優しい笑顔まで浮かべて。
「その結果、な?初恋みたいな普通は小中学生くらいで通ってくる道をすっ飛ばして、セックス三昧な十代を送ったんだろ?」
「む……」
なぜわかるし。